冨士ファニチアの未来 “改善活動”

Future 改善活動|冨士ファニチア

“改善活動”とは?

冨士ファニチアでは、2010年から”改善活動”という取り組みを行っています。

きっかけは、会社に「危機」が訪れたこと。1959年の創業開始以降、家具メーカーとして時代の変化に合わせて様々な商品を作ってきましたが、2000年代に入って間もない頃・・・商品が売れない、工場の生産効率が落ちる、といった壁にぶつかりました。

大量生産・大量消費

時代を平成元年(1989年)まで遡ってみます。

当時は「大量生産・大量消費」の社会でした。

人気商品は応接セットのL2610。売れ筋を大量に見込み生産しておけば、自然とご注文がきて、売れる。家具屋さんへ人気商品を並べておけば、並べただけ、売れる。そんな時代でした。

もちろん、工場の生産体制や設備も、同じ商品を一度にたくさん作る「大量生産」に適した状態になっていました。

Future改善活動 大量消費時代|冨士ファニチア

しかし、1990年代後半から2000年代にかけて、市場に変化が見え始めます。今まで人気だった商品のご注文が減り、家具屋さんでも売れ残るようになりました。

そんな消費者ニーズの変化を感じ取った私たちは、たくさんの新商品の開発を進めました。

ところが、「商品ラインナップ拡大によって、より多くのお客様に私たちの家具を選んでいただきたい!」という想いが先走り、従来の「大量生産」の工場のままで、多品種にわたる製品を生産し続けた結果、生産効率がどんどん悪化してしまいました。

トヨタ生産方式

根本的に生産方法を変えるべく、2010年11月から「トヨタ生産方式」を導入するために”改善活動”を開始しました。ものづくりの中に潜むムダを見極め、「今、本当に必要なものをジャスト・イン・タイムで作る」ということを徹底します。

私たちは、見込み生産をやめて、完全受注生産へシフトすることを決意しました。

当時の生産体制

Future 改善活動 トヨタ生産方式 当時の生産体制|冨士ファニチア

当時の生産体制は、工場全体を大きく工程別に分けたものでした。この場合、それぞれの工程の都合でパーツをまとめて生産しようとしてしまい、工程間で仕掛品(加工途中のパーツ)が滞留してしまいます。これでは、必要なパーツがジャスト・イン・タイムで供給されません。

まずは、工場内の生産の流れを整えるために、商品を1台ずつ作る「1台流し」に変更しました。

そして、「1台流し」を更に効率化するために、商品郡別の小さなラインを複数作りました。

ダイニングチェアの生産ライン、ソファの生産ライン、テーブルの生産ライン・・・といった感じで、多い時では最大8ライン。お客様からのご注文状況に合わせて柔軟に体制を変えられます。

1台流しの生産体制

Future 改善改善活動 トヨタ生産方式 1台流しの生産体制|冨士ファニチア

そして、「1台流し」を更に効率化するために、商品郡別の小さなラインを複数作りました。

ダイニングチェアの生産ライン、ソファの生産ライン、テーブルの生産ライン・・・といった感じで、多い時では最大8ライン。お客様からのご注文状況に合わせて柔軟に体制を変えられます。

Future-改善 トヨタ生産方式 商品群別ライン|冨士ファニチア

例えば、1台の生産にかかる時間を比較すると、ソファはダイニングチェアの約10倍。同じラインで生産をすると、作業にばらつきが出てしまいます。

商品群別ラインには、構成が似た商品を同じラインで生産することで作業効率が良くなる、というメリットもあります。

セルライン方式

お互いの進捗状況を共有できる環境にするために、少人数のチームで工程をサークル型に配置するセルライン方式を導入しました。ボトルネック工程を助け合うことで、仕掛り在庫の削減・製造リードタイムの短縮をしています。

他にも、生産ラインのサイクルタイム管理(=商品1台を完成させるまでの目標時間管理)や、1 人で複数の工程を作業できるようにする多能工化の推進にも注力しました。

セルラインの生産体制

Future 改善改善活動 トヨタ生産方式 セルライン|冨士ファニチア

こうして、多品種少量でも効率よく生産ができるような生産体制を実現することができました。

それまで何十年、大きく変わることのなかった工場の生産体制を、根本から破壊することとなった“改善活動”。

意見の食い違いや強い反発など、社内は一時的に大混乱しました。

しかし、私たちは創業当初から受け継がれてきた家具への想いがあったからこそ、立ち止まることなく、より良い生産体制となることを信じて活動を続けることができました。

完全受注生産

私たちの家具は大量生産ではなく、お客様のためだけにお作りする「完全受注生産」です。お客様の理想を叶えた樹種・塗装色・張地の家具をお届けします。

“改善活動”は1人でも多くのお客様に、理想の家具をお届けするために、そして、私たち自身を成長させるために必要な取り組みです。

Future 改善活動 完全受注生産|冨士ファニチア

お客様に「自ら選んだ商品が、自分のために一から生み出されること」を体感していただき、選ぶ喜びを感じていただきたいと私たちは考えております。

そして、素材・人材・時間などの資源を無駄にせず、時代に合わせて変化し続けるブランドを目指して、私たちはこれからも”改善活動”を続けます。